舞姫 問題。 超問題作!森鴎外の作品「舞姫」に隠されたエリス事件とは?

森鴎外「舞姫」1/5( 〜つづりてみん。) 問題

舞姫 問題

今回は『 舞姫/森鴎外のあらすじと要約』です。 「舞姫」や「森鴎外」という名前だけは知っていても、実際に舞姫を読んだことのある方は意外と少ないようですね。 森鴎外の本名は「林太郎」と言って、東大医学部を卒業した後、陸軍軍医総監にまで上り詰めた超エリートです。 そんな医学の第一戦で働くかたわら、文学にも積極的に取り組み、 「阿部一族」や「寒山拾得」をはじめとする 「歴史小説・史伝物」も多く書いています。 今回は『 舞姫/森鴎外ーあらすじ・現代語訳・簡単な要約・読書感想文・解説』として、 森鴎外の最も有名な作品である「舞姫」について説明していきます。 エリート官僚が「恋愛」をとるのか「出世」をとるのか究極の2択を迫られるお話です。 スポンサーリンク 目次• 舞姫/森鴎外【あらすじ・現代語訳・簡単な要約・読書感想文・解説】 「舞姫/森鴎外ーあらすじ・現代語訳・簡単な要約・読書感想文・解説」まとめ ・ 豊太郎は小さいころから英才教育を受ける ・ そのかいあって、22歳の頃ベルリンに留学する ・ ヨーロッパの自由な雰囲気のもと、豊太郎は自我に目覚める ・ 美しい踊り子のエリスと出会うが、それがきっかけで職を失う ・ 友人・相沢の紹介で新たな職を手にするが、相沢にエリスと別れる約束をする ・ 豊太郎は「エリスへの愛情」か「名誉と出世」のどちらかを選ばなくてはならなくなる ・ 悩み続け豊太郎は病に倒れるが、目を覚ますと発狂したエリスの姿があった ・ エリスは豊太郎が自分を裏切って「出世」の道を選ぼうとしていることを知り、狂人となっていた ・ 結局、豊太郎はエリスを捨て「出世」の道を選ぶ ・ 豊太郎のこころには、相沢への感謝の気持ちの裏に"憎しみ"の感情が消えずに残る 1、主人公の「大田豊太郎」 2、美しい踊り子の「エリス」 3、友人の「相沢謙一」 です。 ここからは『舞姫/森鴎外の簡単・分かりやすい要約』として概要だけ説明していきます。 豊太郎は幼いころから厳しい教育を受けていたこともあり、 日本の官僚としてベルリン(ドイツ)に留学します。 しかし、豊太郎はヨーロッパの自由な考えに感化されていくうちに、 「親の意見」や「国の指示」に従っているだけではないか、自分の意志はどこにあるのかーという"自我の精神"に目覚めます。 そんな時、 経済的に困っている美しい踊り子の"エリス"と出会います。 最初のうちは豊太郎とエリスは「師弟」のような関係だったのですが、それが仲間の反感を買い「官僚」としての職を失ってしまいます。 豊太郎は積み上げてきたキャリアがなくなったことで絶望しますが、友人の相沢謙一のおかげで新たな職に就くことができます。 この頃には豊太郎とエリスは恋仲になっていましたが、 友人の相沢は「豊太郎のエリスに対する感情は恋ではなく、惰性だ」として豊太郎にエリスと別れるよう忠告します。 豊太郎は相沢を無視することができず、ついにはエリスと別れる約束をしてしまいます。 しかし、なかなかエリスに別れ話を告げられないまま時は流れていきますが、 ついに豊太郎の念願だった「日本への帰国話」が豊太郎に持ち上がります。 日本へ帰国すれば一度は失った「名誉」を取り戻すことができ、さらに「出世」という希望が見えてきます。 「愛情」と「出世」…どちらを選ぶか豊太郎は悩み続け、ついに病に倒れてしまいます。 豊太郎が目を覚ますと、目の前には狂人となったエリスがいました。 エリスは相沢からすべての事情を聴き、悲しみと絶望で狂ってしまったのです。 そんなエリスを残し、豊太郎は「愛情」ではなく「出世」を選びました。 以上が簡単な『舞姫/森鴎外』の要約です。 もう少し章をわけて説明した方がわかりやすいと思うので、以下に『舞姫/森鴎外』のあらすじも載せておきます。 『舞姫/森鴎外』のあらすじ・解説 『舞姫/森鴎外のあらすじ1』ー 主人公"豊太郎"と 踊り子"エリス"の出会い 主人公の太田豊太郎は小さいころから厳しい教育を受けていたこともあり、 官僚となって3年目の22歳の時、ベルリンに留学することになります。 初めて見るヨーロッパは豊太郎にとって非常に新鮮なものでしたが、 学問に専念するため、それらの誘惑や魅力を一切断ち勉強一筋で大学に通い詰めます。 しかし、 豊太郎はヨーロッパの自由な雰囲気に次第に感化されていき、彼が25歳になった頃、 これまで受けてきた「母親の教育」や「国の期待」に縛られているだけで、自分の意志で行動してこなかったのではないかと考え始めます。 そんな「自我の目覚め」を感じていた頃に、美しい踊り子のエリスと出会います。 エリスは父親が死んだことで、母とともに路頭に迷っている身でした。 豊太郎はエリス母娘への同情心などから彼女らの経済的危機を救ったのですが、それがきっかけで豊太郎とエリスは親密になります。 この頃はまだ恋愛関係にはなく、豊太郎とエリスはいわば「師弟」のような関係でしたが、 このことが仲間の反感を買い故国に伝えられ、ついには豊太郎は免職処分となってしまします。 さらに、同じ時期に豊太郎の母親が亡くなり、豊太郎は「職」と「家族」を同時になくし、深く失望します。 そんな豊太郎を救ったのが友人の「相沢謙一」でした。 『舞姫/森鴎外のあらすじ2』ー 友人・相沢の忠告とエリスとの別れ 友人・相沢謙一の紹介により豊太郎はドイツの通信員として働くことになります。 相沢の紹介で職を得た豊太郎は、エリス母娘の家に居候することにし、この頃には豊太郎とエリスは互いに愛し合い、恋人関係になっていました。 豊太郎は新たな職を手にし、学問に専念できないという不満はありつつも、満足感を感じる生活を送っていました。 そんな生活が続くと思われた矢先、 エリスが豊太郎の子を身ごもります。 豊太郎はエリスの妊娠に気づき、次第に将来への不安を感じ始めます。 友人の相沢は「豊太郎がエリスに感じているのは愛情ではなく、ただの惰性だ」と豊太郎に告げ、エリスと別れるよう忠告します。 豊太郎は、これまでお世話になった相沢の忠告を無視することはできず、ついにエリスと別れることを約束します。 しかし、豊太郎はエリスに別れ話を切り出すことができず、しばし惰性の日々を過ごします。 その後、豊太郎は相沢の紹介でロシアの通訳として働きますが、エリスはロシアまで毎日手紙を送ってくれていました。 相沢には「エリスと別れる」と約束していたため、エリスとの交際が相沢に知られれば彼を裏切ることに繋がります。 相沢を裏切れば再び職を失うかもしれない…。 「エリスへの愛情」と「出世・将来の安定」…どちらを選ぶべきか豊太郎は悩み続けます。 スポンサーリンク 『舞姫/森鴎外のあらすじ3』ー エリスの発狂と豊太郎の決断 そんな矢先に再び相沢のつてで、日本への帰国話が持ち上がります。 帰国すれば、一度は失った「名誉」を取り戻すことができるため、豊太郎はエリスのことを棚上げし帰国話に乗ってしまいます。 しかし、当のエリスにはなかなか別れ話を切り出すことはできず、豊太郎は深く自己嫌悪に陥ります。 悩み続けた豊太郎は街を徘徊し、ついに病で倒れてしましまます。 豊太郎は数週間寝込み、目を覚ましてみたのは「エリスの発狂した姿」でした。 豊太郎が寝込んでいる間に、相沢が「豊太郎がエリスと別れる約束をしたこと」「豊太郎が日本に帰国すること」をエリスに伝えていたのです。 それを知ったエリスは悲しみと絶望で狂ったように泣きわめいていました。 生きる屍のようになったエリスを抱いて豊太郎は涙しますが、最終的にはエリスを見捨て、彼だけが日本へ帰国します。 豊太郎の心には、相沢が職を紹介してくれたことに対する感謝の念があるとともに、 心のどこかに相沢に対する憎しみの気持ちが消えずに残っているのでした。 以上が『 舞姫/森鴎外のあらすじと要約』です。 豊太郎は「エリスへの愛情」と「日本での出世話」の間で悩み続けますが、最終的には「出世」を選びます。 エリスへの気持ちが「愛」だったのか「同情と惰性」だったのかは分かりませんが、 今まで培ってきた努力と名誉を無駄にしたくないという気持ちの方が豊太郎の中で強かったのかもしれません。 『舞姫/森鴎外』は1890年の作品なので文章が小難しく読みづらいかもしれませんが、 特に中高生の方にはぜひ原文を一読していただきたい作品です。 おそらく学生の頃と社会に出てからでは、『舞姫/森鴎外』に対する見解は異なってくるでしょう。 書店などで600円程度でおいてあると思うので、お時間のある方はぜひ一読してみてください。

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森鴎外の舞姫のテスト対策ポイント!予想問題や抑える点を紹介

舞姫 問題

でしたので、今回は明治の二大文豪のもう一人、 森鷗外の名作『舞姫』を採り上げてみます。 『こころ』は教科書に登場するくらい馴染み深い作品ですが、こちらの『舞姫』もそれに劣らず人気がある短編小説です。 『こころ』は1914年に出版されていますが、『舞姫』はさらに時代をさかのぼって1890年に世に出ています。 『舞姫』は文語体で書かれていて格調高いのですが、私たち現代人が読むには非常に難しい作品です。 私は新潮文庫の『阿部一族・舞姫』で読み、理解できない部分は井上靖の現代語訳を使いました(井上靖訳『現代語訳 舞姫』ちくま文庫)。 小説の内容を理解するためなら、現代語訳の方のみでもまったく問題ありません。 もりかわ・とものり/早稲田大学国際教養学部教授。 政治学博士(Ph. 1955年群馬県生まれ。 早稲田大学政治経済学部政治学科卒、ボストン大学政治学部修士号、オレゴン大学政治学部博士号取得。 専門分野は日本政治、恋愛学、進化政治学。 早稲田大学の授業「恋愛学入門」は学生に絶大な支持を得ている。 恋愛学の著書としては『最強の恋愛術』(ロンブー田村淳との共著、マガジンハウス)、『一目惚れの科学』(ディスカヴァー携書)、『黄昏流星群学』(弘兼憲史との共著)等がある。 あらすじ 主人公の太田豊太郎は、小さいころから勉強が得意で、なんと19歳で東京帝国大学(現・東京大学)法学部を卒業します。 希代の秀才ですね。 卒業後は、当然のごとく期待されて「某省」に入省します。 その省庁は明らかにされていませんが、いまでいったら、財務省や外務省といった中央官庁に入って国家公務員になったということです。 実際の鷗外は陸軍で軍医総監まで務めた軍官僚だったので、陸軍省と理解しても問題ありません。 いずれにしても 将来を嘱望された超エリート官僚です。 22歳のときに、上司の「官長」に気に入られて、政府派遣団の一員として ドイツ(プロシア)に留学することになります。 このように豊太郎はバリバリのエリート官僚なのですが、ドイツに3年過ごすうちに、欧州の文化に触れて、自由を満喫するようになってゆきます。 また、官僚組織にありがちな、国家のための小さい歯車の1つとして受動的かつ機械的に生きる自分に疑問を持ち始めます。 そんなある日、教会の隅で泣くエリスに出会います。 年齢は16~7歳でしょうか。 エリスは泣きながら、家が貧乏で、亡くなった父の葬儀代が出せないので助けてほしいと訴えます。 不憫に思った豊太郎は少々の金品を与えますが、それが縁で次第にお互い恋するようになってゆきます。 エリスは場末の劇団「ビクトリア座」のダンサーでした。 相思相愛で仲良しなのですが、普段から豊太郎を快く思わない知人に、 「(豊太郎は) しばしば芝居に出入りして女優と交はる」と日本大使館に報告されたことが原因で、日本からの留学資金が止められ、官僚を辞めさせられてしまいました。 金銭的に困り果てますが、友人の相沢謙吉の特別の計らいによって、日本の新聞社のドイツ特派員のような仕事をあてがってもらい、なんとか食いつなぐことができるようになります。 そして豊太郎は、エリスの家に母親と3人で住むようにもなりました。 同棲生活の始まりです。 恋人ですから、肉体関係も当然あります。 やがてエリスは悪阻のような症状が出て、妊娠していることが発覚します。 そんなとき、相沢が秘書官として仕える天方大臣が海外使節団としてベルリンを訪れます(天方大臣は山県有朋に比定されています)。 その際、相沢が天方大臣に面会できるように手配をしてくれ、大臣は豊太郎に書類をドイツ語に至急翻訳するように依頼します。 その仕事ぶりがよかったのか、豊太郎は大臣に気に入られました。 一方で相沢はエリスとの恋愛を諦めて日本に帰国すべきと豊太郎を説得したところ、豊太郎はしぶしぶながら 「この(エリスとの) 情縁を断とう」と約束します。 とはいっても、豊太郎はこのままエリスとともにドイツに残るか、それとも相沢に約束したとおり1人で日本に帰国しようかという選択で悩み続けます。 このような状況の中、大臣は豊太郎に 「我とともに東(日本) に帰る心なきか」と問います。 真実を言おうか迷いますが、とっさに 「承りはべり(承知しました) 」と答えてしまいました。 しかし「弱き心」の豊太郎は、そうは言ったものの、その後もどちらを選択していいのか決めかね、苦悩のあまり数週間倒れてしまいます。 その見舞いにきた際に相沢は、エリスに豊太郎と大臣のこれまでのいきさつを告げてしまいます。 実は豊太郎が日本に帰国することに同意したのだと。 このためエリスは過剰な心労で精神病を患ってしまうことになります。 最終的に、豊太郎がエリスの母親に今後の生計を営むに足るいくばくかのお金を渡し、帰国の途につくところで物語は終わります。 『舞姫』は恋愛小説 最初に明確にしておきますが、上記のあらすじが示すとおり、 『舞姫』は恋愛小説です。 これ以上確かなことはありません。 しかしながら、文学研究の世界では、『舞姫』が提起したテーマが何であるか?との論争があります。 たとえば山崎国紀氏の『鷗外森林太郎』では次のように述べられています。 『舞姫』は何を物語ろうとしているのだろうか。 この問題には現在でもさまざまな捉え方がある。 官僚制への批判説。 日本近代の脆弱さへの批判、実在のエリーゼ事件を解決し、今後官僚として強く生きていくという弁明、宣言の書であるとする説、(略)『西欧文化への決別の悲しみ』を述べたものとする説など数えきれない。 文学者というのは、みなさんこのように考えるのでしょうか。 びっくりします。 たしかに『舞姫』では官僚制が批判されているし、豊太郎は西欧文化と決別しようとはしました。 でも、深読みしすぎではありませんか。 それらを主題とするのはちょっと違うのではと思ってしまうのは私だけでしょうか。 私は『舞姫』は完全に恋愛小説だと思うのです。 豊太郎とエリスとの恋物語です。 だから題名が『舞姫』となっているのです。 では、恋愛の中のどんなテーマが主題となっているか? ここが考えどころです。 『舞姫』が出版された当初から巻き起こっていた「舞姫論争」の主題が、恋愛の見識を深めるうえでもっとも意義があると思われます。 その主題の1つは、 豊太郎は立身出世を捨て、恋愛をとるべきであるかどうか? でしたが、現代的に考えると、 もしあなたが豊太郎だったら、同じ判断をしたか? となります。 このテーマに沿って『舞姫』を読みとくのが、現代を生きる私たちが恋愛を知るうえでもっとも有益です。 なぜなら、私たちも豊太郎と同じように、恋愛や結婚に関して二者択一の選択をしなければならない場面に遭遇することがしばしばあるからです。 そのようなときにどうしたらいいのかをこの小説は教えてくれます。 豊太郎の選択は正しかったのか、それとも帰国すべきではなかったのか。 鷗外は 「功名と愛の葛藤」の問題を読者に問うているのだと思います。 簡単そうで難しい問題です。 鷗外は、『高瀬舟』における弟殺しの喜助のように判断に苦しむ状況を設定して、読者の賢明な判断をあおぐストーリーを仕掛けているとも考えられます。 したがって今回は『舞姫』を「ぶった斬る」のではなく、作品のテーマに沿いながら、私たちの現在の恋愛に役立てていくというアプローチをとります。 主人公の豊太郎はヒール役? それにしても、この豊太郎、『舞姫』発表当時の文壇でも最近のweb界隈でも評判は芳しくありません。 非難轟々の嵐で、たとえば 「男らしくない」「非人間的」「心情がいやらしい」だとか、 「有罪」「けしからん」「クズ」「汚い」「嫌い」といった言葉までもが躍っています。 完全に悪人扱いです。 このように考えている人にとって、上記の 「もしあなたが豊太郎だったら、同じ判断をしたのか?」の答えは、もちろん同じ判断をしなかったということになります。 豊太郎は、ドイツに留まる選択肢を選ぶのが正しい判断だと考えているようです。 はたしてそれが豊太郎にとって最良の選択なのでしょうか。 エリスにとっては最良だったかもしれません。 でも豊太郎にとっては? どちらを選ぶにしてもギリギリの選択だったはずです。 web上では9対1以上の割合で豊太郎は間違っているとの見解のようですが、私としては納得できません。 あまりに一方的です。 したがって、ここでは豊太郎を弁護する立場をとってみることにします。 帰国を選んだとしてもしかたのないことだったと言える理由は2つ挙げられます。 ひとつは 「恋愛市場」の特徴という見地から、もうひとつは 「2つの選択肢の費用対効果」の立場からです。 「恋愛市場」では恋愛関係の解消は自由 『舞姫』における豊太郎の心情を理解するうえでまず知っておくべきは、 「恋愛市場」というものの特性です。 「恋愛市場」とは経済用語ですが、そんなに難しい話ではありません。 職場や飲み会、あるいは学校といったように、男女の恋愛関係が存在する場所が存在しますが、そのような場所を経済学では 「市場」と呼びます。 野菜を売っている「市場」とか株の売買をする「市場」とまったく同じです。 だれも自分が参加しているという意識はないのですが、恋愛関係の市場は24時間365日開いているものです。 私たちは、好むと好まざるとにかかわらず、また未婚でも既婚でも、この市場に必ず入っています。 恋愛が取引される市場には、その関係の長さによって 「恋愛市場」「結婚市場」「浮気市場」の3つがあります。 このような3つの市場は ・お互いを中期保有しようとするのが「恋愛市場」 ・長期保有を原則とするのが「結婚市場」 ・一夜の関係のように短期保有するのが「浮気市場」 というふうに分類できます。 いったん築かれた関係が継続していることを意味する用語は 「保有」と言います。 期間の短い順に並べると、 短期的な相互保有が浮気、中期的な相互保有が恋愛、長期的な相互保有が結婚となります。 「恋愛市場」「結婚市場」「浮気市場」は、同じような市場に見えますが、実際には大きく異なるものです。 基本的には、 恋愛したい人は「恋愛市場」に、 結婚したい人は「結婚市場」に、 浮気したい(セックスだけしたい)人は「浮気市場」に集まるということです。 もちろん、人によっては、結婚を視野に入れて恋愛したいとか、恋愛も結婚も一夜の関係も相手次第だと考える人もいるので、各々の市場が排他的というわけではありません。 この 『舞姫』に描かれている市場は、「恋愛市場」です。 エリスを結婚相手として見ているわけでも、一夜限りの浮気相手として見ているわけでもありません。 ですから、豊太郎は「恋愛市場」に入って、エリスを好きになったということです。 中期保有の恋愛関係でもっとも重要なことは、 手続き的にもコスト的にも関係解消が比較的簡単に行われる点です。 結婚という長期保有では関係解消には多くの時間とエネルギーとお金を必要としますが、恋愛関係では、誰でも別れを経験しているように、一方の通告のみで関係が解消されます。 別れにおいて慰謝料も養育費も必要ありませんので、たいへんコスト的に軽微です。 せいぜい面前で泣かれるくらいでしょうか。 このように関係を解消する側は「ふり」、解消される側は「ふられる」ことになり、一般的には後者は 「失恋」となります。 何が言いたいのかというと、長期保有である結婚をしていない以上、一方が他方に対して、いつ別れてもどんな理由でも、恋愛市場である限りは許されるということです。 「エリスを捨てた」と非難している人がいますが、恋愛の場面では、単に「ふった」ということですので問題ありません。 ふられた方は痛みを覚えますけれどね。 豊太郎がエリスをふるというのは、一方がそう判断したということであり、相手も受け入れなくてはならないものです。 豊太郎とエリスの色恋沙汰なわけですから、豊太郎が一方的に通告することになるのも仕方ありません。 これが結婚していたらもちろん別ですよ。 お互いが合意して離婚届を提出しない限り、関係を解消することはできません。 ところが、恋愛では簡単に解消ができてしまうのです。 話はそんなに簡単ではないとおっしゃる方がいるかもしれません。 エリスと同居していたのだから、その責任はどうするのかと。 たしかに豊太郎とエリスは同棲していました。 しかし現在の日本でも同棲している人たちはいます。 そのまま結婚に至る場合もあれば、別れる場合もあります。 同棲をしていたからといって結婚しなければならないわけではないのです。 加えて、子どもができた事実はどうだとおっしゃる方もいるかもしれません。 もちろん子どもをどうするのかは非常に重要です。 本来ならば、豊太郎はエリスと子どもの問題を真剣に話し合わなければなりませんでした。 ところが、エリスは精神病にかかって正常な判断ができる状態ではなくなっていましたし、豊太郎は天方大臣とともにすぐに帰国しければならない状況でした。 1年後に帰国するという方法はとれなかったのです。 本来なら、豊太郎はエリスが子どもを出産し、病気の回復が見込めるのかどうか判断してから日本に帰国すべきでした。 それが可能だったらそうすべきだったと思います。 しかし、天方大臣には状況を伝えていませんでしたし、たとえ伝えたとしても「それなら帰国しなくて結構」と言われただろうことが容易に推測されます。 ですから、当時の豊太郎としては、 精神病のエリスとともに子どもを育てていくか、 あるいは子どもはエリスと母に任せて自分はドイツを離れるかの二者択一しかなかったのです。 『舞姫』の最後に、エリスの保護者である母親に生活費を渡したと描かれていますので、母親と豊太郎の間で、エリスと子どもの問題に関して、金銭的な方法で解決を図ることに合意したということです。 支払われたお金の額が非常に重要な点となるのですが、正確な金額が描かれていないので、その点についてはなんとも言えないところではありますけれど。 豊太郎の費用対効果分析 「もしあなたが豊太郎だったら、同じ判断をしたのか?」を公平に判断してもらうために、2つめに考えてほしいのは、ドイツに留まるか日本に帰国かの二者択一において、豊太郎の損得勘定が働いた点です。 「損得勘定」というとちょっと悪意があって公平ではありませんね。 豊太郎が 「費用対効果」の分析(Cost-Benefit Analysis)をした、ということです。 1つの意思決定には必ず良い面と悪い面が共存しています。 それらを総合的に考えて、意思決定をするのが私たち人間です。 豊太郎は自分の立場について詳細に費用対効果の検討をして、エリスと別れる決断をしたのですが、そこに至るまでに勘案した2つの選択肢の長所と短所については、次回で詳しく考察したいと思います。

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「舞姫」の授業:第4段落の読み取り

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舞姫学習プリント 1.読み方を書きなさい。 88 今宵 骨牌 五年 任せて 記し 幾千言 日記 独逸 89 憂き節 更なり 是 故あり 経ぬ 生面 微恙 瑞西 山色 伊太利 古蹟 腸 惨痛 凝り固まり 翳 懐旧 幾度 恨み 銷せん06 五年 日記 独逸 07 是 08 瑞西 伊太利 腸 懐旧 2.意味を書きなさい。 ) 1 船は燃料補給のために停泊している。 2 中等室は明々と電灯がついており、4人でトランプをしていた。 3 洋行の官命を受けたのは7年前である。 4 主人公は今、サイゴンにいる。 5 主人公は往路では、紀行文を書きまくって新聞に連載し、好評だった。 6 復路でも日記を書きまくった。 7 主人公はドイツで無感動になってしまっていた。 8 主人公の性格は、往路と復路では激変していた。 9 主人公は留学先での学問には満足していた。 10 主人公は他人も自分も信じられなくなってしまっていた。 11 イタリアを出発して一箇月たっている。 12 船中ではちょっとした病気を理由に初対面の客と交際しなかった。 13 主人公は、人知れぬ恨みに悩んでいる。 14 この恨みは、何をするにつけても主人公の心を楽しませた。 15 主人公が日本へ帰る船中でドイツであったことを書いたのが『舞姫』である。 4.学習のポイント 1 日記が書けない理由を考える。 2 主人公がこの文章を書く動機を考える。 3 あらすじを70字以内でまとめる。 1.読み方を書きなさい。 90 訓へ 荒み 三年 殊なり 興さん 伯林 模糊 欧羅巴 色沢 菩提樹 幽静 臨める 少女 巴里 91 楼閣 噴井 凱旋 神女 目睫 遮り 謁 鈴索 普魯西 快く 仏蘭西 92 簿冊09 三年 模糊 欧羅巴 菩提樹 10 少女 巴里 楼閣 凱旋 神女 遮り 謁 普魯西 仏蘭西 11簿冊 2.意味を書きなさい。 ・庭の訓へ・出仕・官長・覚え・模糊・功名・検束・楼閣・目睫の間・うべなり・あだなる・謁を通ず・簿冊=ノート。 ) 1 主人公は幼い頃からスパルタ教育を受けた。 2 主人公は母子家庭に育った。 3 主人公は商人の家の子どもである。 4 主人公は大学の医学部に入学した。 5 主人公の名は、森林太郎である。 6 トヨは藩校から大学までいつもナンバー1だった。 7 主人公は九人兄弟の四男である。 8 母は息子の勉強振りに満足していた。 9 トヨは二十二歳で大学を卒業した。 10 トヨは国家公務員になった。 11 トヨは親孝行といえば親孝行、マザコンといえばマザコンである。 12 トヨは官長のお気に入りだった。 13 トヨが洋行の官命を受けたのは二十一歳の時であった。 14 トヨは家と自分の名誉の為に洋行した。 15 その時、母親は四十九才だった。 16 トヨが洋行した先は、欧羅巴の新大都の巴里である。 17 トヨは欧羅巴の美観に感動したが、仕事に専念した。 18 トヨはプロシアの官員にドイツ語やイタリア語を絶賛された。 19 トヨは幼い頃から小説家になりたかった。 20 トヨは半年後、仕事の暇に大学で政治学を学んだ。 4.学習のポイント 1 明治中期の社会状況を理解する。 2 トヨの生い立ちをまとめる。 3 トヨの生い立ちから性格を考える。 4 トヨと母親との関係を理解する。 5 トヨの洋行の目的を考える。 6 トヨの洋行先での仕事ぶりをまとめる。 7 あらすじを一二〇字以内でまとめる。 1.読み方を書きなさい 92 包み難き 好尚 褒むる 勤めし 雄飛 93 堪ふ 瑣々 蔗をかむ 紛々 覆す 猜疑 讒誣 麦酒 且つ 合歓 94 仕へ 顧みぬ 縛せし 有為 豪傑 珈琲店 就かん 挟ませ 95 疎き 冤罪 暫時 艱難 閲し 2.意味を書きなさい。 ) 1 トヨは二十七才になった。 2 これまでのトヨは受動的、器械的な人物であった。 3 トヨは大学の自由なムードの中で自我に目覚めた。 4 母はトヨをウォーキング・ディクショナリーにしようとしていた。 6 トヨは母親に対して大口をたたくようになった。 7 トヨは政治学や経済学に興味を持つようになった。 8 官長は独立した思想を持ったトヨをますます喜んだ。 9 トヨの当時の地位は危うかった。 10 留学生仲間は、トヨを尊敬したりほめたりした。 11 トヨは留学生と麦酒を飲んだり麻雀をしたりしなかった。 12 トヨは本当はたいへん大胆な人間だった。 13 年長者の教えを守り、学問の道に進み、役所に勤めたのも、すべて嘘の自分であった。 14 故郷を出る時、自信満々だった。 15 トヨが神戸の港を出る時に笑っていたのはトヨの本性である。 16 トヨはこの本性は母の手で育てられたから生じたと思っている。 17 ドイツの売春婦や道楽者と遊ばなかったのは、金がなかったからである。 18 留学生仲間と遊ばなかったことが、今後、無実の罪で苦しみを体験する原因になる。 4.学習のポイント 1 自我に目覚めるまでのトヨについてまとめる。 2 トヨが自我に目覚めた理由を理解する。 3 自我に目覚めたトヨの変化についてまとめる。 4 トヨの留学生仲間との関係をまとめる。 5 トヨの本性を理解する。 6 あらすじを九十字以内でまとめる。 1.読み方を書きなさい。 95 獣苑 漫歩 僑居 巷 襦袢 頬髭 猶太 翁 梯 楼 凹字 恍惚 寺門 96 垢 睫毛 愁ひ 覆はれ 一顧 遭ひて 憐憫 係累 真率 97 葬る 貯へ 欷歔 震ふ 項 鎮め 往来 欠け損じ 老嫗 悪しき 額 獣綿 会釈 98 茫然 油燈 漆 慇懃 無礼 廚 右手 左手 煉瓦 臥床 梁 氈 陶瓶 価高き 羞ぢらひ 99 座頭 二年 憂ひ 媚態 背 2.意味を書きなさい。 ) 1 トヨが少女に会ったのは昼過ぎである。 2 トヨはクロステル巷にある下宿に帰ろうとしていた。 3 トヨが少女に会ったのは、ウンテル・デン・リンデンの動物園の前である。 4 トヨは少女と会った場所には初めて来て、うっとりしていた。 5 少女は閉ざされた教会の門の前で声をあげて泣いていた。 6 少女の年令は十二、三才である。 7 少女はメッシュの茶髪でネッカチーフをしていた。 8 少女は絵にも描けない超美少女だった。 9 少女はもの問いたげに憂いを含んだ長い睫毛の黒い瞳をしていた。 10 トヨは少女に一目惚れした。 11 トヨが少女に声をかけたのは、ナンパしようとする下心あったからである。 12 少女はトヨを悪人だと思った。 13 少女は遊ぶ金がなくて泣いていた。 14 少女はいつの間にかトヨに肩を寄せていた。 15 トヨは、教会の隣にある十四階の屋根裏部屋の少女の家まで送って行った。 16 部屋から出てきたのは、白髪まじりの貧しい服装をした少女の祖母であった。 17 少女の名前はエリザベスである。 18 エリスの亡くなった父はエルンスト・ワイゲルトと言う詐欺師だった。 19 エリスの母はトヨに対して、手の平を返したように丁寧になった。 20 エリスの家は狭く見すぼらしいが、花瓶には高価な花が生けてあった。 21 エリスは顔黒(ガングロ)でぽっちゃりした少女だった。 22 エリスは地方出身者である。 23 エリスはモンビシュウ座の座頭のバウムクウヘンと言うスケベな中年男の愛人になれと迫られていた。 24 母はエリスが座頭の愛人になることに反対していた。 25 エリスはトヨに借金を申し込んだ。 26 エリスの目は、MUGOん・色っぽいものだった。 27 トヨはポケットの中にあった二、三マルクの銀貨を貸した。 28 エリスのよだれがトヨの手の甲を濡らした。 4.学習のポイント 1 豊太郎とエリスの出会いの状況を理解する。 2 エリスの様子をまとめる。 3 豊太郎がエリスに声をかけた理由を考える。 4 エリスの家庭の事情を理解する。 5 エリスの母の性格を考える。 6 豊太郎がエリスの窮地を救ういきさつを理解する。 7 あらすじを70字以内まとめる。 1.読み方を書きなさい。 99 終日 兀座 漁する 速了 痴騃 00 岐路 仰ぐ 猶予 請ひて 煩ふ 某 募り 業 01 粧ひ 辛苦 剛気 卑しき 不時 免官 疎んぜん 詳しく 愛づ 危急存亡 秋 数奇 鬢 02 悲痛感慨 脳髄 説きて 午餐 思案 寄寓 珈琲 03 若人 商人 臂 掌上 崩殂 04 流布 一隻 2.意味を書きなさい。 ) 1 「舞姫」を書いているトヨはエリスとの出会いを後悔している。 2 エリスはトヨと交際するためにトヨの下宿にやってきた。 3 「一輪の名花を咲かせたり」とは、エリスが美しい花を持って来てくれたことである。 4 留学生がトヨをナンパの達人だと官長にチクった。 5 この時、トヨとエリスの関係は大人の関係である。 6 官長はトヨに最後のチャンスを与えた。 7 トヨはクビになり、直ぐに帰国すれば旅費ぐらいは出すが、ドイツに残留するなら援 助を断つと言い渡された。 8 トヨは、三日後に残留を決意した。 9 トヨは、母の死を知らせる親戚の手紙と、母の自筆の手紙を受け取った。 10 トヨは母の死を知ってホッとした。 11 この時、トヨとエリスの関係はHな関係であった。 12 エリスが舞姫になったのは、十二才の時である。 13 エリスは、ハックスレンデル座のナンバー1である。 14 舞姫は、見かけの華やかさとは裏腹に、少ない給料でこき使われるみじめな職業で、 身を売る者もいた。 15 トヨは、クビになった原因がエリスにあることをエリスに話した。 16 エリスは、トヨのクビにショックを受け、すぐに母に伝えた。 17 エリスの母がトヨとの交際を許していたのは、金目当てである。 18 この時、トヨとエリスの関係は教師と生徒の関係から、男と女の関係になった。 19 トヨは、エリスに一目惚れしていた。 20 トヨは、不幸のどん底にある自分を悲しんでくれるエリスの姿に、欲情を抑えられな くなった。 21 トヨは、エリスと別れ帰国して屈辱的な生活をするか、生活費も得られない生活する か、究極の選択を迫られた。 22 このピンチに、天方大臣の秘書であった親友の相沢鎌吉が新聞社の配達員の仕事を紹 介してくれた。 23 エリスは母親を説得して、トヨの下宿で同棲するようになった。 24 二人は貧しく苦しい生活をしていた。 25 トヨは喫茶店でドイツの新聞を読み、翻訳して日本の新聞社に記事を送った。 26 昼過ぎには練習が終わったエリスが喫茶店により、二人仲良く帰っていった。 27 トヨは大学に行くことはなくなったが、雑学には強くなった。 28 学問ができなくなったことを強く後悔している。 4.学習のポイント 1 豊太郎はエリスとの交際をどのように思っていたか。 2 母の死の意味について考える。 3 舞姫の身分について理解する。 4 豊太郎とエリスの交際の変化をまとめる。 5 豊太郎の迫られた決断について考える。 6 豊太郎がどのようにしてベルリンに残ることができるようになったかを理解する。 7 豊太郎の生活について理解する。 8 あらすじを一一〇字以内でまとめる。 1.読み方を書きなさい。 04 凸凹 朝 凍え 卒倒 悪阻 05 由 昨夜 汝 疾く 悪しき 便り 上襦袢 襟飾り 06 不興 幾年 外套 接吻 凍れる 朔風 2.意味を書きなさい。 ) 1 明治二十三年の夏の出来事である。 2 エリスが気分が悪く、物を食うと吐くのは食中毒であると気づいたのは母である。 3 トヨはエリスの妊娠を知って将来に希望を感じた。 4 手紙は相沢が日本で出したものである。 5 相沢は山縣(やまがた)大臣に付いてベルリンに来ていた。 6 手紙の内容は、相沢が一緒に食事したいから来いというものであった。 7 相沢はトヨに名誉挽回のチャンスを与えようとしていた。 8 トヨは相沢の手紙を読んでうれしそうな顔をした。 9 エリスは、新聞社の報酬を打ち切られる手紙だと思った。 10 エリスが病気を我慢してトヨの身支度をしたのは、相沢に会うと思ったからである。 11 エリスは女の勘で自分の不幸な行く末を直感した。 12 トヨは大臣に会うため行くと言って出かけた。 4.学習のポイント 1 豊太郎はエリスの妊娠を知ってどう思ったか理解する。 2 相沢からの手紙を受け取って、豊太郎はどのように思ったか理解する。 3 また、エリスはどのように思ったか理解する。 4 豊太郎が相沢に会いに行く気持ちを理解する。 5 あらすじを一〇〇字以内でまとめる。 1.読み方を書きなさい。 06 門守 階 覆へる 廊 踟躕 07 謁し 委託 午餐 生路 胸臆 閲歴 凡庸 2.意味を書きなさい。 ) 1 トヨの初めてカイゼルホオフホテルに来た。 2 トヨは相沢に会うのを一瞬ためらったのは、落ちぶれた自分を相沢に見られるのが恥 ずかしかったからである。 3 相沢は痩せたクラ〜い男であった。 4 相沢は私の失敗を非難した。 5 相沢は昔話に花を咲かせた。 6 大臣はトヨに仏蘭西語の翻訳を依頼した。 7 相沢はトヨを夕食に誘った。 8 食卓では、互いに語り合った。 9 相沢は、トヨの不幸な過去を責めず、官長を責めた。 10 相沢は、トヨの失敗の原因は生まれながらの臆病な心のせいだと見抜いていた。 11 相沢はトヨがエリスと同棲していることを知らなかった。 12 大臣はトヨが女でクビになったことを知らなかった。 13 相沢は、トヨに法律の才能を示して大臣の信用を得るように勧めた。 14 相沢が大臣の信用を得るように勧めた理由は、自分自身の身の安全も計算している。 15 相沢がトヨにエリスと別れるように忠告した理由は、年令の差がありすぎるからであ る。 16 相沢の出世話は、五里霧中であった。 17 トヨは、出世が幸せに結びつくと信じていた。 18 トヨは、今の生活やエリスの愛を捨てようとしていた。 19 トヨは、相沢のエリスと別れることをキッパリ断った。 20 トヨは、友に対してはNO!と言えない性格だった。 21 トヨが相沢と別れたのは、午後七時である。 22 トヨの心は、温かかった。 4.学習のポイント 1 相沢に会うまでの豊太郎の気持ちを理解する。 2 大臣からの依頼について理解する。 3 相沢の忠告の内容と理由を理解する。 4 相沢の忠告を約束した豊太郎の気持ちを理解する。 5 あらすじを一〇〇字以内でまとめる。 1.読み方を書きなさい。 09 魯西亜 卒然 咄嗟 直ちに 虚ろ 賜り 費え 10 拉し 囲繞 驕奢 燭 彫鏤 賓主 周旋 11 寝ねつ 生計 族 袂 12 云々 公事 13 寂然 刹那 低徊踟躕 鑼 14 一瞥 襁褓 2.意味を書きなさい。 ) 1 翻訳には3日かかった。 2 大臣は次第にトヨの意見を聞いたり冗談を言って笑うようになった。 3 1週間後、突然、大臣はトヨにフランスへの同行を打診した。 4 相沢は、豊太郎にその打診を予告していた。 5 トヨは、その打診を予測したので、即座に断った。 6 トヨは信頼している人に突然依頼された場合、あまり考えずに即座にOKを出してし まい、後悔することがよくあった。 7 エリスは正式に妊娠と診断され、座頭からは休みが長引けばクビにすると宣告された。 8 エリスは、トヨの愛に疑問を持ち始めていたので、ロシア行きに反対した。 9 トヨはエリスのことを考えて、一人で旅立った。 10 トヨはロシア語で通訳の役目を忠実に果たした。 11 ロシアでは、トヨはエリスのことをすっかり忘れていた。 12 エリスの1通目の手紙は、一人で暮らすことの心細さが切々と書いてあった。 13 エリスの2通目の手紙は、「ディアー、トヨ」で始まっていた。 14 エリスは金の力でトヨをドイツにつなぎ止めるつもりだった書いてあった。 15 母と日本について行きたいが、旅費がないと書いてあった。 16 ドイツで出世することを期待していると書いてあった。 17 お腹が大きくなったので、決して捨てないでほしいと書いてあった。 18 母はエリスの成長を見て、身を引いたと書いてあった。 19 エリスの旅費は相沢が出してくれるだろうと書いてあった。 20 トヨはエリスの1通目の手紙で、初めて自分の地位に気づいた。 21 トヨの決断力は、順境で働き、逆境でも働いた。 22 トヨは、大臣の信用や自分の出世につながることを計算して、翻訳の仕事を忠実に果 たしていた。 23 トヨは自分の地位を知って、冷静だった。 24 相沢は、トヨが大臣の信用を得つつあることを知らなかった。 25 大臣はトヨが女性問題を清算したと思っていた。 26 トヨは自我の目覚めが偽物であることに気づいた。 27 トヨの自由を束縛していたのは、昔は官長、今は相沢である。 28 トヨがベルリンに帰ったのは大晦日の夜である。 29 トヨはエリスと再会するまで、望郷の念と出世欲の方が、愛情より強かった。 30 トヨはエリスと再会し抱き合っても、望郷の念と出世欲は消えなかった。 31 エリスがトヨに喜んで見せたのは、よだれかけだった。 32 エリスはトヨにお腹の子の認知を迫った。 33 エリスは子どもが教会で洗礼を受けることが悲しくて泣いていた。 4.学習のポイント 1 ロシア行きを承知した心理を理解する。 2 エリスの手紙を呼んで気づいたことを理解する。 3 大臣の信用を得た理由を理解する。 4 ベルリンでエリスと再会した時の気持ちを理解する。 5 あらすじを80字以内でまとめる。 1.読み方書きなさい。 14 待遇 滞留 15 特操 承り 叱せられ 傍ら 瓦斯灯 16 鷺 庖厨 蒼然 2.意味を書きなさい。 ) 1 トヨは、一週間後の昼過ぎ、大臣を見舞いに訪れた。 2 大臣の待遇は、素っ気なかった。 3 大臣は、一緒に帰国するように半ば強制的に伝えた。 4 その理由は、トヨの法学を評価したからである。 5 もう一つの理由は、トヨがエリスと別れたと、相沢から報告を受けたからである。 6 トヨは、相沢との約束は嘘だったと言った。 7 断れば、帰国や名誉回復のチャンスは二度とないと思った。 8 トヨは、一週間の猶予をもらった。 9 トヨは、帰って、エリスに帰国することをキッバリと伝えようと決意した。 10 トヨは、すぐに家に帰った。 11 トヨは、古い教会の近くのベンチに長時間座り込んでいた。 12 二十二時三十分頃に再び歩き始め、〇時三十分頃にブランデンブルグ門に到着した。 13 空には、一月上旬だったので上弦の月が出ていた。 14 辺りは人の出入りがなくひっそりしていた。 15 トヨの頭の中はエリスへの罪悪感でいっぱいだった。 16 トヨが家にたどりついた時、エリスはすでに寝ていた。 17 トヨの顔色は青白く死人のようで、髪は乱れ、服は汚れ破れていた。 18 トヨは家に帰るとすぐに、帰国を承知したことをエリスに伝えた。 4.学習のポイント 1.大臣が豊太郎に帰国を勧めた理由を理解する。 2.豊太郎が帰国を承諾した理由を理解する。 3.豊太郎の帰国を承諾してからのエリスに対する気持ちを理解する。 4.あらすじを70字以内でまとめる。 1.読み方書きなさい。 17 譫言 懇ろ 顛末 繕ひ 一諾 躍り上がり 欺き 18 治癒 癲狂院 欷歔 癒え 屍 脳裡 2.意味を書きなさい。 ・人事・顛末・つばら・諾=承諾。 ) 1 トヨは、数日間意識不明だった。 2 看病していたのは、エリスの 母だった。 (エリス) 3 その間に、大臣が見舞いに来た。 4 「余が彼に隠したる顛末」とは、意識不明になっていたことである。 5 相沢は大臣に、病気のことと、トヨがエリスと別れていないことを報告した。 6 トヨの意識が回復した時、エリスは丸々と太り、精神的に死んでいた。 7 「余が相沢に与へし約束」とは、エリスを相沢に譲るという 約束である。 8 「かの夕べ大臣に聞こえ上げし一諾」とは、ロシア同行を承知したことである。 9 エリスは相沢から真実を聞き、初めてだまされたことに気づいて叫び、寝ている豊太 郎につかみかかった。 10 目を覚ましたエリスは暴れ回ったが、よだれかけを与えると、涙を流して泣いた。 11 「過激なる心労」とは、流産したことである。 12 エリスの病気は、一種の精神病で、回復の見込みはなかった。 13 エリスは、ダルドルフの精神病院に入院した。 14 エリスは、時々「シャブをくれ、シャブをくれ」と言った。 15 病気から回復したトヨは、エリスを抱いて何度も涙を流した。 16 トヨは、エリスの母に慰謝料を渡して帰国した。 17 トヨは大臣を恨んでいる。 18 この時、トヨは二十九才である。 4.学習のポイント 1.「余が彼に隠したる顛末」とは何かを考える。 2.「余が相沢に与えし約束」とは何かを考える。 3.「かの夕べ大臣に聞こえ上げし一諾」とは何かを考える。 4.相沢が豊太郎の病状のみを大臣に伝えた理由を理解する。 5.豊太郎の裏切りを知ったエリスの様子を理解する。 6.精神病になったエリスを見る豊太郎の気持ちを理解する。 7.「一点の彼を憎む心」を理解する。 8.あらすじを60字以内でまとめる。

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